NHKの記者らによるインサイダー取引疑惑で、NHKは18日、全職員約1万1000人と、原稿システム端末にアクセスできる契約スタッフ約2000人について、不正取引にかかわったことがあるかなどを聞き取り調査することを決めた。職員のうち放送前のニュース原稿を見ることができる約5000人については21日まで、そのほかは25日までに調査を終え、結果を公表する。
橋本元一会長が18日夕、増田総務相を訪ねて陳謝した際に表明した。記者団の取材に応じた橋本会長は、すでに各部局長に「調査の指示は下した」と説明。証券取引等監視委員会の調査対象となった3人以外に不正にかかわった職員がいたかどうかの情報は、現段階では「入っていない」と答えた。
NHKによると、調査項目は「株式を保有しているか」「この1年間に株式の売買をしたか」「職務上知り得た情報を利用して、株取引をしたことがあるか」など。インサイダー取引を認めた2人は、原稿システム端末に登録された放送前のニュース原稿を読み、株式を購入していた。このため、全職員のうちシステム端末に接続できるパスワードを持つ約5000人の調査を優先させる。すでに一部の報道局員に対する調査は始めているという。
監視委の調査対象となっている3人の所属は、東京・渋谷の放送センター、岐阜放送局、水戸放送局と離れ、お互い連絡を取り合っていなかったという。このため、他にも不正取引にかかわった職員がいる可能性が浮上。増田総務相は18日朝の閣議後会見で「ほかにも(取引した人が)いっぱいいるのではないか」と指摘していた。
NHKは調査結果を公表するとともに、今回の問題を視聴者に説明する特別番組の制作も検討している。 アサヒ・コムトップへ
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