2008年01月18日(金) 16時30分
大阪府知事選後半戦 「お笑い票」の行方は?(産経新聞)
■「過去の話」の声も… 気をもむ各候補
27日投開票の大阪府知事選は週末から後半戦に入る。鍵となるのは「お笑い票」の行方。大阪では、政党の枠組みとは無関係に、お笑い系の有名タレントが大量得票したため、こう呼ばれる。府知事選では、故横山ノック氏が200万票を超える大量得票をしたこともある。前回知事選で、野球解説者、江本孟紀氏が大差で落選したため「『お笑い票』は過去の話」という声も出るが、勝敗を左右しかねないだけに各候補は神経をとがらせている。
「お笑い票」の基礎票とされるのは平成16年の参院選で辻元清美・現衆院議員が獲得した71万あまりの得票だ。14年に秘書給与詐欺事件で衆院議員を辞職した後に臨み、猛烈な逆風の中での選挙だった。落選したものの、当選した北川イッセイ氏とわずか一万数千票差まで追い上げた。
お笑い文化に詳しいフリープロデューサーの木村政雄さんは「辻元さんはベタな大阪弁で、話の『つかみ』がうまい。難しいことは言わないし、いわば『ひらがな』でしゃべる。庶民の代表として受け入れられたのではないか」と分析する。
ただ、大阪では、何度も100万票前後を得票した西川きよし氏が平成16年に引退して以降、お笑いやタレント出身の政治家は出ていない。前回府知事選に出馬した江本孟紀氏は、辻元氏に近い67万票を得票したものの、複数人が当選する参院選と異なるため、155万票を獲得、再選した現職の太田房江氏には遠く及ばなかった。このため、お笑い票の時代は終わったとの見方がある。
今回の府知事選では、梅田章二氏(57)の陣営は「お笑い票があるかどうか分からない」とし、無党派層には誠実な人柄を訴えたいという。
橋下徹氏(38)の陣営も「お笑い票は意識していない」というが、お笑いタレントとして活躍した東国原英夫・宮崎県知事は別格として応援に期待を寄せている。
熊谷貞俊氏(63)の陣営でも組織固めを優先しているが、昨年の東国原知事の誕生で「大阪でもお笑い票復活の契機になるのでは」と警戒を強めている。
お笑い票の影が薄くなったのは、横山ノック知事がセクハラ問題で11年暮れに辞職したためだ。ノック氏は再選を果たした11年の選挙で、過去最高の235万票を得票したが、この問題以降府民のタレント議員に対する拒絶感は強くなったと言われる。
木村さんも「ノックさんの罪は大きい。あれでタレント候補者が立候補する道が閉ざされてしまった。ただ、東京は侍の文化だが、大阪は町人文化。庶民の代表を送り出したいという気持ちが強い。今回も『お笑い票』がどこに行くか、選挙を左右することに変わりはない」と話している。
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◇大阪府知事選届け出順
梅田 章二 57 弁護士 無新【共】
橋下 徹 38 弁護士 無新
熊谷 貞俊 63 元大学院教授無新【民】【社】【国】
杉浦 清一 59 保護司 無新
高橋 正明 65 元中学教諭 無新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080118-00000090-san-pol