東京都は18日、約12億円をかけて1997年に建て替えた知事公館(渋谷区松濤)を売却すると発表した。青島幸男前知事が1年8カ月住んだが、99年に初当選した石原慎太郎知事は入居していなかった。
公館は約2212平方メートルの敷地にあり、地下1階・地上2階建て延べ約1900平方メートル。不動産業者によると土地建物で60億円相当という。
石原知事は同日の会見で「公館を持っていない県や政令市は多い。居住部分が4分の1しかなく、あとは会議室ばかりで、ああいうばかな建物を何でつくったのか。次の知事が誰になるか知らないが、東京のどこかに住んでもらえばいい」とし、有効な活用方法がない現状では、売却して都財政に生かすべきだとの考えを示した。
公館は都庁舎のある西新宿から離れた高級住宅地にあり、最近は月に1、2回、研修会などに利用する程度だという。