沖縄県金武町にある米軍キャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設を、民間地から遠い訓練場へ移設する工事が予定より1年半も遅れる見通しとなり、地元が反発を強めている。金武町議会は18日、訓練中止や施設撤去を求める意見書を全会一致で可決した。
狙撃用の訓練塔や屋内射撃場を備えた都市型訓練施設は、ハンセン内のレンジ4と呼ばれる演習区にあり、隣接する同町伊芸地区の民家から約300メートルしか離れていない。米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)が2005年7月、市街地での対テロ作戦などを想定した実弾訓練を開始、住民や県は流れ弾の危険性などを訴えてきた。
日米両政府は同年9月、同施設を住宅地から離れた基地内の別区域へ移すと合意。しかし米軍は移設に関連する施設で訓練を継続しているため工事が進まず、沖縄防衛局は今月8日、移転工事完了が予定の3月末から来年秋にずれ込むとの見通しを金武町議会に伝えた。