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2008年01月18日(金) 17時55分

埼玉の歯科医ら二十数人、寄付装い1700万税逃れ読売新聞

 歯科医師を志す学生らに奨学金を貸し付ける財団法人「恵明(けいめい)修学資金事業協会」(埼玉県所沢市、2007年3月解散)への寄付を装って、歯科医師や税理士ら二十数人が計約1700万円の所得税を免れていた疑いのあることが18日、分かった。

 さいたま地検と関東信越国税局は、所得税法違反の疑いで関係者宅を捜索するなど捜査を始めた。

 同法の規定で同協会のような公益法人への寄付は、税金の控除対象となる。関係者によると、歯科医師でもある同協会の元理事長(79)や医師、税理士らは、この制度を利用、02〜05年の4年間に、同協会に対して計約7000万円を寄付したように装って領収書を受け取り、確定申告時に所得控除を受けた。しかし、実際には、寄付金は奨学金などには使われずに医師らに還流され、所得税約1700万円を免れた疑いが持たれている。

 同協会は1983年に設立された。06年2月の埼玉県の立ち入り調査の結果、学生に貸し付けた奨学金の借用証書がないなど、ずさんな運営が判明。県は、協会が奨学金貸与の事業を適正に行っていると認められず、資金管理も不透明だとして、07年3月、法人設立の許可を取り消した。同時に、所得税法違反の疑いもあるとして所沢署と所沢税務署に情報提供していた。

 県医療整備課によると、同協会は00〜05年の6年間に計約4億円を支出。元理事長は県に対し、「このうち約2億5000万円は学生41人に貸与した。残り約1億5000万円は協会の資金運用のため生命保険会社に預けていた」と説明したという。

 しかし、借用証書や債権管理簿など裏付けとなる書類は一切なく、元理事長は「理事らが推薦した品行方正な学生を直接面接して選んでおり、信頼関係があるから借用証書はない」などと説明。同協会に返還されたのは、わずか87万円だった。歯科医師ら寄付者に出した領収書の控えも「燃やした」と話しているという。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080118-OYT8T00422.htm