厚生労働省は17日、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の宮島彰理事長(60)が辞職する人事を発令した。宮島氏は薬害肝炎問題で製薬企業から症例が報告された2002年8月当時の厚労省医薬局長で、患者本人への事実関係の告知をしなかった点など当時の対応の責任を問う事実上の更迭。
理事長は当面空席とし、理事が職務を代行する。
厚労省は02年8月に製薬企業から418人分の症例一覧表の報告を受けたが、投与期間や症状だけの公表にとどめ、患者本人への告知は見送った。昨年10月、厚労省内で418人の一部の実名が記載された資料が保管されていたことが判明したのを機に「02年の時点で患者を特定し、告知をしていれば病状の悪化を防げた可能性がある」と批判が出ていた。