第2次世界大戦中、ナチス・ドイツから迫害されたポーランド系ユダヤ人らに“命のビザ”を発給したことで知られる故杉原千畝・駐リトアニア領事代理(1900−86年)=岐阜県八百津町出身=に16日、ポーランド共和国から勲章が授与された。
多くのユダヤ人の命を救ったことと、人間としての尊厳と人権を擁護した功績で、「ポーランド復興勲章コマンドルスキ星十字型章」が贈られた。同大使館によると、5段階で上から2番目の勲章だが、1番目の勲章が授与されることはほとんどなく、実質最高位という。
この日、東京都目黒区の在日ポーランド大使館で授賞式があり、杉原氏の孫の千弘さん(43)=宝飾会社経営、タイ・バンコク市在住=が、マルチン・リビスキ大使から受け取った。
リビスキ大使は「杉原氏はポーランドで偉大な英雄として語り継がれている」と感謝。
千弘さんは「光栄に思う」としながらも、紛争を続けている地域があることに触れ「両国だけでなく、多くの国々で友好が進むといい」と話した。
式典には、杉原氏の郷里、八百津町の職員や、“命のビザ”を手にシベリア経由で逃れてきたユダヤ人が日本に初上陸した福井県敦賀市の河瀬一治市長も招かれた。
(中日新聞)