誰のものか分からず「宙に浮いた」年金記録5000万件の持ち主とみられる人に確認を促す「ねんきん特別便」の発送が先月17日に始まってから1カ月がたった。これまでに訂正の有無を届け出た人は発送分の7・3%、約4万4000人にとどまっており、記録の統合が思うように進まない恐れが出てきた。
社会保険庁は未回答の人には再度はがきを送り、最終的には職員が訪問。政府広報などでもあらためて手続きを呼び掛ける方針だが、「そもそも通知の内容が分かりづらいのが原因」との批判も上がっている。
特別便は、まず年金受給者が対象で、今月9日までに60万通、16日にも13万通を追加して送った。しかし、特別便を受け取って記録訂正の有無を社会保険事務所に届け出た人は、14日までで4万3868人だけ(うち訂正の人数は未集計)。
宙に浮いた昔の記録を現在の基礎年金番号に統合し、年金給付額に反映させるには本人の届け出が必要だが、特別便の封筒自体を開けていない人や、手続きが必要なことに気付いていない人もいるとみられる。