1957年までの厚生年金の「旧台帳」と呼ばれる年金記録約1365万件のうち約6万件が、ずさんな管理により、事実上、年金記録の漏れなどを点検する照合作業に役立たない状態にあることが分かった。
舛添厚生労働相が16日、社会保険庁が旧台帳の保管を委託している埼玉県内の民間倉庫を視察した後、記者団に明らかにした。
厚労相は倉庫での旧台帳の保管状態について、「(台帳が)番号順になっていない。問い合わせても、有るのか無いのか、わからない」と説明した。
旧台帳は、社保庁のコンピューターに入力されている年金記録の原本で、段ボール約4300個に分けて保管されている。本来、都道府県ごとに年金番号に基づいて整理されていなければならないが、約6万件分は、職員が利用した後、元の位置に戻さず、別の箱に保管されていた。
このため、照会を求められた記録の旧台帳がこの約6万件の中に紛れていた場合は、見つけ出すことが極めて困難な状態になっている。