全国の地裁、高裁と最高裁で昨年死刑判決を言い渡された被告は計46人に上り、1980年以降最も多かったことが13日、共同通信の集計で分かった。2006年の計44人がこれまで最多で2年連続の更新。昨年末現在の確定死刑囚は少なくとも106人、死刑執行は9人で、いずれも80年以降最多だった。
昨年は国連で死刑執行停止が決議されるなど、死刑廃止に向けた国際的な動きはより進んだが、日本では、遺族感情への配慮などによる厳罰化傾向が続いている。
法務省は12月の執行の際、初めて対象者の氏名と執行場所を公表。鳩山邦夫法相は「適正に執行していることを示し、国民の理解を得るため決断した」と述べた。
鳩山法相は国連決議に対しても「死刑の存廃は各国の国民感情、犯罪情勢などを踏まえて独自に決定すべきもの。わが国では、国民世論の多数が凶悪犯罪には死刑もやむを得ないと考えている」と反論している。