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2008年01月13日(日) 22時19分

刑事弁護在り方テーマに意見交換 中京で集会、司法修習生ら参加京都新聞

 全国の司法修習生が集まり、人権擁護のために法律家が果たすべき役割について考える「1月集会in京都」(実行委員会など主催)が13日、京都市中京区のハートピア京都で始まった。刑事弁護の在り方をテーマにしたパネル討論で、山口県光市の母子殺害事件で元少年の主任弁護人を務める安田好弘弁護士(第二東京弁護士会)らが意見を交わした。
 光市事件の差し戻し控訴審(4月に判決言い渡し予定)の弁護団は、情状弁護に徹した一審、二審の弁護人とは異なり、「殺意や計画性はなかった」と事実関係を争っている。安田弁護士は、詳細な資料を示して「被害者の傷の状況などと、一審、二審が認定した事実は矛盾する。刑事弁護に正解はなく、情状に徹するのも間違いとは言えない。ただ、迷った時には客観証拠から事実を理解し直す愚直さが大切ではないか」と述べた。
 大阪弁護士会の刑事委員会委員長の森下弘弁護士は、最高裁が無期懲役とした二審判決を差し戻したことに触れ、「マスコミや世論の風潮もあり、実質的な量刑の判断基準が変わってきた」と、メディアの影響についても述べた。山田健太・専修大准教授(ジャーナリズム論)は、否認に転じた弁護方針に対してメディアの批判が相次いだことを踏まえ、「感情を増幅させ、ストーリー性を持たせるのが日本のメディアの本質だ。一概に悪いとは言えないが、物語の作り方が問われている」と指摘した。
 集会には司法修習生や法科大学院生たち約250人が参加した。14日も少年事件やえん罪被害などをテーマに議論を深める。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080113-00000024-kyt-l26