北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」(破産手続き中)の食肉偽装事件で、詐欺罪などで起訴された元社長の田中稔被告(69)と、三男の恵人(よしひと)元専務に対する札幌地検の処分を不服として、内部告発した元役員の男性(72)が札幌検察審査会に審査を申し立てていたことが12日、わかった。
申し立ては10日付。
札幌地検は昨年12月、田中被告とともに不正競争防止法違反容疑で逮捕、詐欺容疑で追送検された恵人元専務ら元幹部3人について、「従属的な立場だった」として不起訴(起訴猶予)としたが、元役員は「恵人元専務は当時、社内で指揮・命令権を持っており、実際に工場長らに偽装行為を指示していた」と主張している。
また、田中被告については、食品会社3社に対する詐欺罪などで起訴されたが、別の14社に対する追送検分について、「被害額が比較的少額」として不起訴(起訴猶予)となった。これについても元役員は「偽装肉は商品化されており、影響は大きい」としている。
審査申し立ての資格は、告訴・告発人や犯罪被害者らに限られており、検察審査会は今後、受理の可否について検討する。