厚生労働省と農林水産省は12日、米国から輸入された牛肉に、「生後20か月以下」と決めている日本の輸入条件を1か月超えた牛の肉と舌が混入していたと発表した。
米農務省から同日、連絡があったもので、厚労省は輸入業者2社に販売中止と回収を指示したが、すでに消費者に販売されている可能性もある。これまでも輸入条件の違反例はあるが、消費者に販売された可能性があるのは初めてだ。
ただ、BSE(牛海綿状脳症)の感染リスクが高い特定危険部位は含まれておらず、厚労省は「健康上の問題が発生するとは考えにくい」と判断している。
問題の肉を処理したのはスミスフィールド社モイヤーパッキング工場(米ペンシルベニア州)。日本向けに処理した約21トンの中に、生後21か月の牛の肉と舌約1・3トンが混じっていた。同工場の月齢判定コンピューターのプログラムミスが原因だった。
問題の肉のうち17トンは丸大食品(大阪府高槻市)とシンワオックス(大阪市)が輸入し、箱数で半分超をすでに販売している。