北海道苫小牧市の食肉加工販売会社「ミートホープ」の食肉偽装事件で、内部告発した同社元常務の男性(72)が、元社長田中稔被告(69)とともに不正競争防止法違反容疑で逮捕、詐欺容疑で追送検された三男の恵人元専務(34)を起訴猶予とした札幌地検の処分を不服とし、札幌検察審査会に審査を申し立てたことが11日、分かった。
申し立ての資格は告訴、告発人や事件の被害者らに限られており、同審査会は「申し立ての資格があるかどうか、今後検討する」としている。
事件をめぐっては、札幌地検が昨年11月、詐欺罪などで田中被告1人を起訴したが、恵人元専務ら元幹部3人については「田中被告の指示の下にあり、関与の度合いも低い」などとして、12月に起訴猶予処分としていた。
男性は申立書で「元専務は自ら偽装の命令、指示を従業員に出していた」と指摘。地検が「関与の度合いが低い」とした点について「事実誤認だ」と主張している。