2004年に大阪地裁所長が路上強盗にあった事件で、強盗致傷の非行事実に問われ大阪家裁の差し戻し審で無罪に当たる不処分決定を受けたアルバイト少年(18)について、大阪高裁(大渕敏和裁判長)は11日、検察側の抗告を受理することを決定した。
家裁、高裁での3度の審理を経て「無罪」判断が示される異例の経過をたどった事件は、4度目の審理を迎える。
発生当時14歳だった少年をめぐっては、家裁が06年3月に中等少年院送致の処分を決めたが、高裁は07年5月の抗告審で「重大な事実誤認の疑いがある」として家裁決定を取り消し、審理を差し戻した。
家裁は同年12月、高裁の判断に拘束されるとした上で「少年が共犯者らとともに所長を襲撃した証拠がなく、保護処分としない」と決定。大阪地検が高裁に抗告受理の申し立てをしていた。