国との和解手続きに入る薬害肝炎被害者を応援しようと、千葉県市川市で2月、プロのオペラ歌手によるチャリティーコンサートが開かれる。被害者を一律救済するための法案も11日に成立する見込み。コンサートをサポートする原告の1人、千葉市の歯科衛生士久野郁子さん(49)や医療関係者、学生らも開演を心待ちにしている。
企画したのは市川市のオペラ指揮者安藤敬さん(33)。昨年10月、ニュースで薬害肝炎を知った。「人ごとではない。音楽家としてできることをしたかった」と、知り合いの歌手やピアニストに声を掛けたところ、たちまち13人の仲間が手を挙げたという。
久野さんは「わたしたち被害者が嘆いているだけでなく、前向きに生きようとしていることを知ってほしい」と話している。
コンサートは2月2日午後1時から市民会館で開催。薬害肝炎の実情を紹介するビデオを放映後、「フィガロの結婚」などを予定している。前売りチケットはなく、当日の募金を原告団に寄付する。