松下電器産業の大坪文雄社長は10日、社名を「パナソニック」に10月1日付で変更し、ブランド名も2009年度中をめどにパナソニックに一本化する、と正式発表した。ブランドを全世界で統一し、海外での一層の売り上げ拡大を目指すグローバル企業の姿勢を前面に打ち出す。
大阪府枚方市で記者会見した大坪社長は、創業者の経営理念に関し「風化しないように社内で徹底させる」と強調。「松下、ナショナルを手放すのは大きな決断。それ以上の価値を生み出す責任がある」と述べた。
子会社の松下電工も「パナソニック電工」にするなど、グループ会社の名前もパナソニックを使う。社名変更に先立ち、6月下旬の株主総会で定款を変更する方針。ブランド統合に伴う費用は約300億円に上るという。
このほか、デジタルカメラ向け半導体を製造する砺波工場(富山県砺波市)に約940億円を投じて生産能力を増強することも正式発表した。09年8月に生産開始の予定。