松下電器産業が、10月に社名をデジタル家電などのブランドと同じ「パナソニック」に変更することがわかった。
冷蔵庫など国内の白物家電に使っている「ナショナル」ブランドも2009年中に廃止し、「パナソニック」に一本化する。
10日午後、大阪・枚方市で開催する経営方針発表会で大坪文雄社長が表明する見通しだ。
松下電器は、1918年に松下幸之助氏が「松下電気器具製作所」を創業して以来、社名に「松下」を冠してきた。
しかし、海外での販売が急増する中、社名とブランド名を統一した方がアピール効果が高いと判断した。
製品の種類などによってブランドが二つに分かれていると「投資・宣伝効果が分散する」(関係者)ことからも、一本化の必要があると判断した。松下氏が27年に考案し、長く親しまれてきた「ナショナル」の名は約80年の歴史に幕を下ろす。
松下は現在、国内で販売している洗濯機や冷蔵庫などに「ナショナル」、薄型テレビやオーディオ機器などのデジタル家電に「パナソニック」のブランドを使用している。
一方、海外のブランドは03年に「パナソニック」に統一し、世界市場の共通ブランドになっている。
二つのブランドが併存している状態には、社内でも見直しを考えるべきだとの声が強まっていた。