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2008年01月09日(水) 15時16分

日弁連会長選が白熱 「合格者増」「裁判員」が争点朝日新聞

 全国に約2万5000人いる弁護士のトップを決める日本弁護士連合会の次期会長選が9日、公示された。立候補の受け付けは15日までで、投開票は2月8日。今のところ、大阪弁護士会元会長の宮崎誠氏(63)と、東京弁護士会所属の高山俊吉氏(67)の一騎打ちとなる公算が大きい。焦点は法律家を大幅に増員する政府計画や09年春から始まる裁判員制度への対応だ。これからの数年は司法制度改革の仕上げの時期にあたり、当選者や得票数によってはその行方に影響する可能性もあることから、いつにも増して関心が高まっている。

 会長の任期は2年で、次の任期は4月から始まる。会長選では慣例的に、東京にある三つの弁護士会か、大阪弁護士会で会長を経験した人が選ばれることが多い。このところは司法制度改革への賛否をめぐる争いになり、00、02、04年は「推進派」の候補者と「反対派」の高山氏が戦う構図に。06年は高山氏も含めた三つどもえとなった。

 今回の会長選が特に注目されているのは、司法試験合格者を2010年までに年間3000人に増やす政府計画に異論が相次いでいるからだ。

 日弁連執行部は計画実現に向けて政府に歩調を合わせてきたが、弁護士の急増で新人の就職が厳しくなり、「質の低下」や「過当競争」も懸念されるようになってきた。中国地方弁護士会連合会や中部弁護士会連合会が計画の見直しを求めるなど、執行部は足元から揺さぶられている状況だ。

 09年春にスタートが近づいた裁判員制度も争点の一つ。日弁連は最高裁や法務省とともに推進の立場で広報や準備を進めてきたが、「連日開廷は負担が大きく、被告の権利を害する恐れがある」「市民が制度参加に積極的でない」といった理由から、弁護士の一部には不満や批判もくすぶっている。

 会長選は、現執行部のスタンスを基本的に継承する宮崎氏と、執行部を批判してきた高山氏が争う形になる。このため、当落の行方や、双方がどれだけ票を集めるかが、弁護士だけでなく、法務・検察や裁判所関係者の間でも注目されている。立候補の受け付け終了後は、候補者が並んで討論する公聴会が全国10カ所で開かれ、各陣営が支持を訴える予定だ。

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