粗悪な米をブランド米と偽装して海上自衛隊に納入したとして、神奈川県警捜査2課は8日、茨城県取手市高須、米販売会社社長菅谷栄容疑者(47)を有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。
調べによると、菅谷容疑者は2005年4月〜5月、海自横須賀造修補給所に酸化が進んだ米30トンを「平成16年、山形産ひとめぼれ」として納入するため、実態のない仕入れ業者との契約書1通を偽造し、同補給所糧食検査官に提出した疑い。
海自は、04年12月に菅谷容疑者から購入した白米に玄米が混入していたため、銘柄や品質を保証する検査証明書のコピーの提出も求めたが、菅谷容疑者は農産物検査員の検査証明書のコピー30枚も偽造していた。
菅谷容疑者が納入した米に、隊員から「まずい」という声が上がり、農林水産省神奈川農政事務所がDNA鑑定したところ、酸化が進んだ04年産ではない米と分かり、06年3月に刑事告発していた。
県警は、同じころ納入されたほかの米60トンも偽装して納入していたとみて追及する。菅谷容疑者は「偽造した覚えはない」と否認している。