フィリピンでのエビ養殖事業への出資話で約4万人から約600億円を集めたとされる投資会社「ワールドオーシャンファーム」(本社・東京都台東区)会長の黒岩勇容疑者(58)が他人名義の旅券を使ったなどとして、入管法違反と旅券法違反の疑いで警視庁に逮捕されていたことがわかった。
同庁は、実態のない事業で金をだまし取ったとして同社を家宅捜索しており、今後、詐欺容疑で黒岩容疑者らの関与を調べる。
生活経済課の調べでは、黒岩容疑者は昨年5月26日と12月1日、他人名義の旅券を使い、関西空港からフィリピンに向け出国した疑い。12月21日には他人名義の旅券を所持していた疑い。
東京都中央区の銀行支店の現金自動出入機(ATM)で同日、凍結されている本人名義の口座から現金を引き出そうとしたところを行員が発見して通報。捜査員が取り押さえたという。
旅券には11月29日にフィリピンから関西空港、12月20日にはベトナムから福岡空港に帰国した記録があるという。
同社は、フィリピンでのエビ養殖事業に出資すれば「1年で倍になる」とうたい、全国の投資家らから金を集めたとされる。警視庁は昨年7月、同社本社や関連先二十数カ所を詐欺容疑で家宅捜索した。黒岩容疑者らはこの前後から所在不明になっていた。 アサヒ・コムトップへ
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