2008年01月03日(木) 00時49分
[特集]家でも駅でもDVDレンタル、店に行かなくても借りられる新サービスいろいろ(BCN)
正月特番に飽きたりこれまで観たかった映画やドラマを一気に楽しもうとする人たちで、この時期はDVDのレンタルショップが賑わう。ところが最近では、店に行かなくてもソフトを借りられるようになってきた。インターネットで申し込んで郵送されてくるものや、駅などにある自動レンタル機を使うものなど、続々と登場している新サービスを紹介しよう。
【図表データ】 ●オンラインDVDレンタルはどんなサービス?
「オンラインDVDレンタル」とは、インターネットの専用サイトで見たいDVDを借りることができるサービスだ。レンタルしたDVDは家に宅配便で届く。見終わったDVDは専用の返信封筒などに入れて郵送で返却する。ツタヤグループでのツタヤ・ディスカスをはじめ、ぽすれんやヤフー、楽天などがサービスを行っている。
店舗型のDVDレンタルサービスと一番の違いは、月額制で返却期限がないシステムが多いこと。延滞料金を気にすることなく、好きなときにDVDを見ることができる。ただ、ソフトを借りたままで何本でもレンタルできるわけではない。基本的にはレンタルしたDVDは返却しなければ、DVDを新たに借りることはできない。また、プランによって、ひと月に借りることができる本数を制限しているサービスもある。
オンラインDVDレンタルの中には、「予約リスト」という機能を設けているサービスがある。これは店舗でのレンタルDVDのように1本1本在庫を探して借りるのではなく、貸し出し中のDVDを含め複数のDVDを予約しておける機能だ。
予約リストでは、見たいDVDをリストに登録しておけば、貸し出し可能になった段階で自動的にDVDが自宅に配送されてくる。さらに、そのDVDを返却すると、リストに登録している、ほかのDVDが自動的に配達される。そのため非常に便利だ。また、リスト内で配送の優先順位を指定することもできる。
お店に行く手間が省けるだけでなく、延滞料金も気にせずに済み、返却すると次のDVDが自動的に送られてくる……。オンラインDVDレンタルは忙しくてレンタルビデオ店に行く暇がないという人には、うれしいサービスといえるだろう。
●圧倒的な在庫本数が最大の魅力——ツタヤ・ディスカス
では、オンラインDVDレンタルを行う会社はどんなサービスを展開しているのだろうか。レンタルビデオ店チェーン「TSUTAYA」のグループ会社で、国内大手のオンラインDVDレンタルサイト「TSUTAYA DISCAS」を運営するツタヤ・ディスカスに話を聞いた。
「『TSUTAYA DISCAS』の最大の魅力はDVDソフトの在庫数を数多く持ち、ユーザーが見たいDVDをスムーズに借りられること」と、佐藤潤・マーケティンググループプロモーションチームチームリーダーは強調する。ソフトを数多く持つことができるのは独自の大量仕入れシステムを採用しているからだという。
「TSUTAYA DISCAS」では、月額1974円でひと月に最大8枚までレンタルできる「Aプラン」と、月額2079円を払えば無制限で借り放題の「Mプラン」の2種類のサービスを提供している。支払いはクレジットカードで行う。
それぞれのプランの違いについては「『Aプラン』は新作をいち早く借りたいというユーザー向けのサービス。一か月の最大レンタル枚数は決まっていますが、『予約リスト』機能が使えます。だから、早い段階で予約していただければ新作をすぐに見ることができます」(佐藤リーダー)と話す。
一方、「『Mプラン』はDVDをたくさん見たいという人に向いているプラン」(同)。「Mプラン」には予約機能がなく、在庫があるソフトしか借りることができない。そのため、新作をすぐに借りることは難しいが、「旧作や名作といった映画などを心ゆくまで楽しめる」(同)という。
また、「ユーザーレビュー」という機能も設けている。「ユーザーレビュー」は、多くのサイトで利用されているが、「TSTAYA DISCUS」の場合、ユーザーが書き込んだ評価をランキング。トップ100までに入った人にはサービスで利用できるポイントをプレゼントしている。
●駅ナカで借りられるDVDレンタルサービスも登場
一方、駅ナカでDVDをレンタルできるサービスも登場してきている。それが、アスタラビスタが運営する「DVD自動レンタル機」。DVDソフトの貸し借りを機械の操作だけで行ってしまうサービスだ。レンタル機は東京メトロの駅構内などに置いてあるため、目にした人もいるだろう。
料金は1枚に付き350-380円。決済はクレジットカードで行う。レンタル期間は新作が24時間、準新作、旧作は1週間。金曜、土曜、日曜日には約100円をプラスすれば新作を72時間借りることができる。レンタル機には通常で100-200タイトル、合計250-300枚のDVDがストックされている。
使い方は簡単だ。初回の利用時にメールアドレスとパスワードを入力して会員登録をすれば、クレジットカードだけで、DVDを借りることができる。会員登録はすべての自動レンタル機で行うことができる。
貸し出しはレンタル機の画面から見たいDVDを選択、貸し出し画面に進み、カードリーダーにクレジットカードを通せば操作と決済が完了する。手続きが終わると、ケースに入ったDVDがすぐに出てくる。
返却はレンタル機のスロットにDVDを入れるだけで済む。DVDは自分が借りた機器以外のレンタル機でも返却することが可能。例えば、表参道の駅で借りて、新宿の駅で返却ということもできるわけだ。
●“ついでに借りられる”ことがメリット
自動レンタル機は地下鉄の駅構内やコンビニなど、人がよく利用する場所に置いてあるため、DVDを“借りに行く”のではなく、通勤や用事などの“ついでにレンタルする”ことができることがメリットだという。アスタラビスタの白石卓志副社長は「駅などの日常の生活動線上にあり、簡単に借りることができるので利便性が高い」と話す。
実際、会社帰りにオフィスの近くの駅で借りて、次の日の出社前に返却するという会社員も多いという。アスタラビスタでは、そうしたユーザーのために金-日曜日は72時間レンタル制を採用。月曜日に返却することができるようにしている。
人気のソフトなどはすぐに貸し出しが一杯になってしまうことも多いが、金曜日の帰宅途中にDVDを借りて、月曜日の出社前に返却するというユーザーが多いため、「月曜日の朝の通勤・通学ラッシュ後には、人気作品を借りることができる確率が高い」(白石副社長)という。
ただ、利用者にとっては、店舗のように店員がいるわけでもなく、機械の操作だけになるため「DVDが出てこない」「返却できない」などのトラブルは気になるところだ。そうした機械的なトラブル対し、アスタラビスタでは電話による24時間のサポートセンターで対応している。
DVDが出てこない場合は、センターに問い合わせると、オペレーターが利用者のメールアドレスを聞く。次に8ケタの数字が記載された「クーポーンコード」をアドレスに送信。ユーザーはそのコードをレンタル機に入力すれば、新たにお金を払わなくてもソフトを借りることができる。
DVDが返却できない場合もセンターに伝えると延滞をすぐに停止する。その後、返却用の封筒をユーザーの家に送り、郵送でDVDを返却してもらうようにしている。
レンタル機は、現在、東京メトロの駅を中心に展開している約30台を設置している。今後は東京メトロの駅に設置するレンタル機を50台まで拡大。さらに、コンビニやマンションをはじめ、地方のスーパーなどにも設置場所を広げ、全国に展開していく計画だ。また、ICカードに対応したレンタル機の開発も進めており、近い将来には携帯電話の「おサイフケータイ」機能を使って決済することも考えている。
家からいつでも借りることができたり、仕事や買い物のついでにさっとレンタルできたりと、店舗以外にも広がるDVDのレンタルサービス。年末年始の休み中にDVDを見たいと思ったら、こうした新しいサービスを使ってみるのも楽しいかもしれない。(オフィス・トム・山崎信潔)
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