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2008年01月03日(木) 08時40分

4月から新制度が始動、賢く対応読売新聞

 新年を迎えて、暮らしにかかわる制度や政策で変わるものがある。4月からは新しい高齢者医療制度が始動するほか、改善しない少子化を受け、事業所内託児施設への助成が拡充される。新しい制度を知り、賢く対応したい。

高齢者医療 被扶養の75歳以上も保険料

 【高齢者医療制度】

 4月からの新制度では、65〜74歳の前期高齢者はこれまでの医療制度に加入、75歳以上は都道府県ごとに設置される「後期高齢者医療制度」に加入する。会社員の子供らが扶養していた75歳以上の高齢者も保険料が必要になる。ただし、保険料の免除や減額、窓口負担の引き上げ凍結などの措置も当初は取られる。

 【年金分割】

 専業主婦(第3号被保険者)が離婚する場合、2008年4月以降の期間について、会社員や公務員の夫(第2号被保険者)の厚生年金の2分の1の額を自動的に分割できる制度が始まる。

託児所支援 待機児童解消へ新設助成

 【子育て支援】

 4月以降、保育所の待機児童解消に向けた取り組みが強化される。企業が設置する事業所内託児所について、新設、増築などを補助制度で応援する。

 保育の有資格者が子どもを預かる「保育ママ」も、実施市町村を増やして増員を図る。また、地域で乳幼児と親が交流する「子育て支援拠点」を、NPOや保育所のほか児童館も運営できるように改め、新年度中に約7000か所を目指して新設を増やす。

 【暮らしの安全】

 農林水産省は、広域にわたる重大な偽装問題が起きたときに専門的な検査を行う調査員「食品表示特別Gメン」を、東京や大阪、福岡の3か所に計20人ほど配置する。

 製品事故などへの対策として、国民生活センターは、インターネットを通じて情報収集する「事故情報データバンク(仮称)」を設置する。

 【消費者関連法】

 国会に改正案の提出が相次ぐ。訪問販売などについて定める特定商取引法では、原則すべての商品、サービスでクーリングオフができるようになる。消費者団体が不当行為などを差し止め請求できる消費者団体訴訟制度も導入される。

 割賦販売法では、トラブルの多い個品割賦方式で、一定の要件を満たせば、既払い金が返還されるようになる。

 改正生協法は4月施行。各都道府県内に限っていた生協の運営地域を隣り合う都府県にまで認める。組合員以外の利用を禁じた規制も緩和。

 【改正DV防止法】

 1月11日に改正法が施行。被害者の申し立てで裁判所が発令する保護命令の対象に、「脅迫」が新たに加わる。また加害者が被害者に近付くのを禁止する「接近禁止命令」と併せ、電話やファクス、メールも禁止できるようになる。被害者の親族や支援者に加害者が接近することも禁止できる。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20080103-OYT8T00146.htm