2007年12月28日(金) 07時52分
奈良市職員23人処分 問われる市の自浄能力(産経新聞)
勤務時間中に職場を離れる「中抜け」行為などで27日、管理監督責任を含め職員計23人を処分した奈良市。藤原昭市長は「市民の信頼を大きく損ねた」として謝罪し、平岡譲・市長公室長は「2度とこのようなことが起こらないよう指導を徹底したい」と述べた。しかし、昨年10月に長期病欠問題が発覚したにもかかわらず、今回対象となった中抜け行為は今年1〜10月に行われていたことが判明。過去の不祥事が教訓として生かされなかった形で、改めて市の自浄能力が問われそうだ。
中抜け行為について、市は環境清美部収集課の職員2人について明らかになった今年10月末から聞き取り調査を実施。その結果、同課職員3人と同部まち美化推進課の職員2人の計5人が、今年1月以降、2〜18日間の中抜け行為をしていたことが分かった。
最も重い停職5カ月の処分を受けたまち美化推進課の職員(50)は、18日間の中抜け行為のほか、昨年10月と今年1、5月に計5日間、不正に病気休暇を取得していた。
一方、収集課の係長(57)は、公用車を私的利用していたとして戒告処分に。また、職場の親睦(しんぼく)旅行で女湯をのぞいたとして停職3カ月となった総務部参事(59)は人事課主幹に降格、同部納税課係長(55)は人事課主任に異動となった。2人は、8月の懇親会でも女子職員に抱きついたりみだらな言動のセクハラ行為をしていたという。
奈良市では、昨年10月に長期病欠問題で環境清美部職員(44)を懲戒免職にした際、管理監督責任として藤原市長を含む上司ら27人を減給や戒告処分にした。また、今年3月にも同問題で同部職員ら15人を停職1〜6カ月の処分にするとともに、上司ら52人も戒告や厳重注意処分とし、再発防止を誓った。
同部の職務管理については、第三者検討委員会が今月20日、中抜け行為の防止策として、これまで原則午前中のみに行われているごみ収集業務を、午後を含む1日4〜5回態勢とすることを提言している。今後、再び同様の不祥事が発覚すれば、市の自浄能力は根本から疑われかねない。
藤原市長は、同部について「検討委の提言を踏まえた抜本的な人事管理・業務体制の見直しを早急に実施したい」としている。
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