少ない元手で多額の外貨の売買ができる「外国為替証拠金取引」(FX)で得た所得を隠し、脱税したとして、大阪国税局が兵庫県西宮市の元自営業の男性(64)と妻(63)、元西宮市職員の次女(33)を所得税法違反の疑いで神戸地検に告発していたことが26日、わかった。所得隠し額は3人で約7億1500万円、脱税額は約2億5000万円に上る。追徴税額は重加算税を含めて約3億3800万円で、修正申告に応じているという。
FXは元本割れのリスクがあるが、男性は取引業者から助言を得る一方で、自らも研究。妻や次女にアドバイスもしていたとされる。酒と米の販売店を営んでいたが04年に廃業。「生活費や老後の蓄えが欲しかった」と話しているという。
関係者によると、男性は02年12月ごろから約3000万円の元手でFXを開始。オーストラリアドルやニュージーランドドルの売買による為替差益で、05年までの3年間に約2億8000万円の所得を得たが、約770万円しか申告せず、約9400万円を脱税した。妻や次女にも勧め、妻は05年に約2億2000万円、次女は04、05年の2年で約2億2800万円の所得を上げ、計1億5000万円余りを脱税したという。次女は国税局の査察を受けた後に市職員を辞めた。 アサヒ・コムトップへ
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