新潟、石川県の海岸で、11月中旬以降、北朝鮮からとみられる木造船が計16隻、相次いで漂着している。
第9管区海上保安本部(新潟市)によると、船体の一部が青森県で見つかっている以外、漂着は両県に集中。6月には青森県で北朝鮮脱出者4人が乗った木造船が見つかり、9管などでは警戒を強めているが、「短期間に集中して漂着船が見つかるのは異例」としている。
調べによると、木造船は全長約7メートル、幅1〜2メートルで、16隻中11隻の船体内側にハングルが記されている。漂着は石川県志賀町沖で発見された11月17日以降、これまでに石川で6隻、新潟で10隻が見つかった。12月だけで計13隻にのぼる。これまで新潟から石川の海岸では毎月数隻が見つかる程度だった。
新潟県警ではハングルの表記方法などから、北朝鮮の船の可能性が高いとみている。最近まで人が乗っていた形跡はないが、不審点がないかを慎重に調べている。
9管は「同時期に流された船が海流や風向きの関係で集中したのでは」と推測。県警内には、夏に北朝鮮を襲った水害や台風で流された漁船が流れ着いたとの見方もある。
朝鮮半島から日本海側各地に漂着したとみられる船は、海上保安庁が統計を始めた2002年以降、船体の一部を含めて毎年21〜45件発見されている。