インターネットの大手検索サイト「グーグル」で、「厚生労働省」や「厚労省」のキーワードで検索すると、最上位に厚労省とは関係ない海外の翻訳サイトが表示される状態が1日以上続いていたことが26日、わかった。
翻訳サイトは台湾のものとみられるが、画面には同省の公式サイトも表示されるため、一見しただけでは本物のサイトと見分けがつきにくい。グーグルではミスを認め、同日夜から検索結果を改めた。
検索サイトは、ネットで目当てのサイトを探す時の手がかりとして広く利用されている。大手のグーグルで官公庁や企業を検索した結果、最上位に“偽サイト”が表示されるのは極めて珍しい。
厚労省によると、このトラブルが見つかったのは25日夕。同省で調べたところ、グーグルを利用している「インフォシーク」「グー」などを含めた計6つの検索サイトで、同じ翻訳サイトが最上位になっていた。
このサイトは、公式サイトにはない翻訳ボタンが表示され、パソコンによっては処理速度が遅くなることもある。同省は「混乱を招く」として、グーグルに改善を申し入れた。
ウイルス対策に詳しい独立行政法人「情報処理推進機構」では、「悪質な闇サイトなどの可能性は低い」としながらも、「個人サイトを検索した時にも同じサイトに誘導されたという現象が確認されており、もしほかの公式サイトにも広がるようなら注意が必要だ」と話している。
グーグル日本法人広報部では、「検索結果の順位を決める人工知能の学習能力が不十分だった。早急に改善したい」としている。