神奈川県警の前警備課長吉田澄雄警視(51)が、不当に高額商品を買わせる「霊感商法」をしていたとされる有限会社「神世界(しんせかい)」の活動に関与した疑いがある問題に絡み、県警は20日、横浜市内の同警視宅や山梨県と東京都内にある「神世界」の関連拠点など計66カ所を詐欺容疑で家宅捜索した。この日の任意の聴取に、警視は「約2年前から営業を手伝っている」としながらも、「霊感商法の認識はない」などと供述したという。
捜索容疑は、東京都港区内の高級賃貸マンション内に設けられたサロンで、運勢判断などをする同組織の役員女性らが04年4月、会社役員(44)に「業績アップには特別祈願が必要。最低200万円、最高で7000万円かかる」などとうそを言い、490万円を詐取した疑い。吉田警視はこの部屋の連帯保証人だったが、同じマンション内には警視を賃借名義人とする組織の別室もある。
この日の聴取で、吉田警視は部下ら3人を、役員女性のサロンに連れて行ったことを認め、その1人はサロンで数十万円を使ったという。
また、役員女性について、吉田警視は約15年前、エステの看板が壊された件に対応した際に知り合ったと説明。役員女性が02年ごろサロンを開業する際、資金を貸したとされる。
一方、吉田警視の銀行口座に振り込まれた資金は、5人前後の警官から総額430万円だったことも判明。吉田警視は「警察学校の教え子らから金を借りた」「一口50万円で元金保証、出し入れ自由で年3%の利益」と説明したという。
この資金について県警は、吉田警視がサロンへの関与を深める中で、警官からも資金を集めるようになったとみている。
一方、田端智明本部長は20日の会見で、現職警視関与の疑いが出ている事態について陳謝した。 アサヒ・コムトップへ
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