大手ゼネコン「鹿島」(東京)が東京国税局の税務調査を受け、2006年3月期までの2年間に6億円の所得隠しを指摘されたことが9日、分かった。大手精密機器メーカー「キヤノン」(東京)の大分市内の工場建設工事をめぐり、下請け契約を結んだ業者に架空の外注費を支払った形にして資金を捻出し、一部を受注工作に使っていたとみられる。
鹿島は、重加算税を含めた追徴課税の処分を受けたが、一部については支出先を明らかにしなかったため、使途秘匿金として制裁課税された。
関係者によると、鹿島は、大分市内にあるキヤノンのデジタルカメラ製造工場の造成工事を大分県土地開発公社から請け負ったほか、建物の建設工事をキヤノンから受注した。
鹿島は、下請けの契約を結んだ地元業者など数十社に対し外注費を支出した形にしていたが、国税局の税務調査で、実際には下請け業者が工事を行っていないケースが複数あったことが判明。