農林水産省の独立行政法人「緑資源機構」が発注した林道整備の調査業務をめぐる入札談合事件で、公正取引委員会は受注した19法人に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、排除措置命令を出す方針を固めた。あわせて計約1億円弱の課徴金納付も命じる方針。官製談合防止法に基づき、同機構の元理事=独占禁止法違反罪で有罪確定=ら職員の関与についても認定する見込みだ。
関係者によると、談合を認定する期間は04〜06年度の3年間。排除措置命令の対象は、受注実績の多い財団法人「林業土木コンサルタンツ」(罰金9000万円)、同「森公弘済会」(同7000万円)、民間コンサルタント会社「フォレステック」(同7000万円)、同「片平エンジニアリング」(同4000万円)の4法人を含む、3年間で受注実績のある計19法人。4法人は、11月の東京地裁判決で同法違反での有罪が確定している。
判決などによると、同機構の元理事らは、各法人ごとの総受注高が前年度並みになるような集計表を年度初めに作成し、各法人の担当者に連絡。それに従って各法人も談合を続けていた。
公取委は05、06年度の2年間の独禁法違反容疑について今年5月、4法人を東京地検に告発。その後も行政処分に向け、時効に含まれる04年度分の発注事業までさかのぼり、受注実績のある法人の談合への関与についても調査していた。
その結果、課徴金の総額は9千数百万円になるとみられる。うち有罪が確定した4法人については、罰金の半額分(2000万〜4500万円)を差し引いた額が課徴金となる。
また、東京地裁判決で官製談合が認定されたことなどから、公取委も官製談合防止法に基づき、同機構職員らの関与を認定する見通し。だが、同機構が今年度末に解体される方針である▽再発防止策がすでに講じられている▽同機構が職員の内部処分を年内に予定している——ことなどから、同法に基づく改善措置要求は見送られる公算が大きい。
http://www.asahi.com/national/update/1208/TKY200712080128.html