北海道大樹町の牧草地で8日朝、特定非営利活動法人(NPO法人)北海道宇宙科学技術創成センター(札幌市)の小型ロケット「カムイ」(全長約2・9メートル、重量約21キロ)の発射実験が失敗して機体が落下、近くのテントを突き破り、地中にめり込んだ。当時テント内にはスタッフら8人がいたが、けが人はなかった。
センターによると、学生が作った缶詰型の「模擬衛星」を上空1000メートル付近で放出した後、機体をパラシュートで落下させる計画だった。予定通り上昇したものの切り離し装置が作動せず、衛星の分離に失敗。パラシュートも開かず、発射台から約25メートル離れたテントを直撃し機体はばらばらになった。
同センターの伊藤献一副理事長は「電気回路などに問題があった可能性がある。原因の特定を急ぐとともに、今後はテントの設置場所を遠くにするなど安全対策の強化を進める」と話している。