8日午前2時ごろ、奈良市登美ケ丘の松伯美術館で警報器が作動し、駆け付けた奈良西署員が、絵画などを盗み出そうとしていた男を発見した。
男は持っていたバールで署員を殴り逃走したが、近くの路上に止めていた車に乗り込んだところを取り押さえられ、同署は事後強盗の現行犯で逮捕した。
盗まれたのは日本画家の故上村松園さん作のびょうぶで時価3億円相当の「人形つかい」など3点で、損傷もなく無事に回収された。
調べでは、男は大阪府東大阪市瓜生堂、無職村上巧司容疑者(65)。ほかの2点は松園さん作の掛け軸「唐美人」(2800万円相当)と息子の故上村松篁さん作の絵画「狐」(2000万円相当)。3点は特別展示室に保管されていたが、展示ケースのガラスが割られていた。村上容疑者は掛け軸を入れたスポーツバッグと絵画を手に持ち、非常口から出ようとして見つかり、署員に絵画を投げ付けた。