東芝の元社員の天野真家湘南工科大教授(59)が7日、効率的に仮名を漢字に変換する日本語ワープロソフトの基本技術を発明した特許の対価として、同社に約2億6000万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。
天野教授によると、発明は、入力した仮名を前後から判断し、漢字と仮名の交じった文章に変換する技術と、1度使った漢字を優先的に出す技術。現在もほとんどの日本語のワープロソフトに使われているという。
訴状によると、天野教授は在職中の1977年と78年、人工知能の理論などを使い、2つの技術を発明。東芝は天野教授ら4人の連名で特許を出願して取得、天野教授には毎年数万円の対価が支払われてきた。
天野教授は発明は単独でしたと主張。民事訴訟法上の時効や特許の権利存続期間などを考慮し、請求権の残っている96、97年の2年間で、東芝が得た利益を26億円と試算。うち10%を請求した。