薬害肝炎訴訟で11月末に追加提訴した原告の中に、外科手術で縫合部の接着剤などに使用していた「フィブリン糊」によってC型肝炎に感染したとみられる男性患者2人が含まれていることが7日、分かった。全国で約200人に上る同訴訟原告のうち、フィブリン糊を感染原因とする提訴は初めて。
フィブリン糊は、旧ミドリ十字が製造販売した血液製剤「フィブリノゲン」を医療現場でほかの薬剤と調合してつくる。同社を引き継いだ三菱ウェルファーマ(現田辺三菱製薬)が2001年末にまとめた推計によると、1980年以降、約7万9000人に使用され、感染者は推計約1200人。今後提訴が増える可能性がある。
大阪高裁で進められている和解協議では、追加提訴した患者に対する補償の在り方が焦点の一つになっており、2人の提訴は協議の行方にも影響しそうだ。
原告側弁護士によると、2人は11月30日に東京地裁に提訴。