沖縄戦の「集団自決」をめぐる教科書検定問題で、教科書検定審議会が日本軍の直接的な関与を避けた表現の範囲内で「軍による強制」の記述復活を認める指針を決めたことについて、沖縄県議会の仲里利信議長は7日、旧日本軍による強制を明記するようあらためて求めた。
仲里議長は、検定意見撤回要求を決議した9月の沖縄県民大会の実行委員会委員長として、那覇市内で記者会見。審議会が集団自決の背景を詳述することを認めている点について「旧日本軍が住民に手りゅう弾を配布したことや、どのように強制、命令、誘導を行ったかが明らかになると期待する」と評価した。
一方で、日本軍の直接的関与を避けた表現を求めていることに「『旧日本軍』という主語や『強制』という言葉を抜いて全体をぼかしたりあいまいな表現にすることは、沖縄県民の体験と思いをないがしろにするものだ」とくぎを刺した。