高級料亭船場吉兆(大阪市)の牛肉産地偽装事件で、湯木正徳社長の長男喜久郎(きくお)取締役が従業員らに「自分に責任がある」と、偽装で主導的な立場にあったと認める発言をしていたことが7日、分かった。
喜久郎取締役は「但馬牛」と偽って販売した九州産牛肉や「地鶏」と偽装したブロイラーの仕入れを担当。「世間にも報告する」と説明しているといい、同社が日本農林規格(JAS)法に基づき、10日に農林水産省へ提出する改善報告書にも、会社の責任と、喜久郎取締役が主導的立場だったことを認める内容が盛り込まれるとみられる。
同社はこれまで、偽装表示が明るみに出るたびに、会社ぐるみの関与を一貫して否定、従業員や取引先に責任を押しつけるような発言を繰り返していた。