サルコジ仏大統領が3日から公式訪問するアルジェリアで、「サルコジ氏はユダヤ人のロビーで当選した」と閣僚が発言、関係強化を狙った訪問に水を差した。
問題の発言は、アッバス退役軍人相が先月26日付の現地紙に語ったもので、サルコジ氏がユダヤ系であることにも触れた。ブーテフリカ大統領は29日、サルコジ氏に電話で「わが国の立場を反映していない」と釈明。サルコジ氏は直後のテレビ番組で「予定通り訪問する」としたが、「反ユダヤ主義とは全力で戦う」とクギを刺した。
背景には62年まで約130年続いたフランスの植民地支配をめぐるしこりがある。仏側には植民地支配について「肯定的な面があった」との意見があり、サルコジ氏も「未来志向」を理由に謝罪を避けている。
これに対し、アッバス氏は「(サルコジ氏の)謝罪なしで両国関係は改善しない」と強調。発言にはアルジェリア有力者から支持する声が相次ぐ。
訪問を通じて、エネルギー分野での関係強化を目指すとみられるが、かえって2国間の緊張関係が浮き彫りになる可能性がある。
http://www.asahi.com/international/update/1202/TKY200712020191.html