2007年12月01日(土) 11時55分
<還付金詐欺>10月319件過去最悪 今年の被害20億円(毎日新聞)
税務署や社会保険事務所による税金や年金の還付などを装い、現金をだまし取る「還付金詐欺」の10月中の被害が全国で319件(約3億8400万円)に上り、過去最悪を記録したことが警察庁のまとめで分かった。1〜10月の被害は計1771件(約20億円)に達しているが、検挙はわずか14件。「おれおれ」や「架空請求」など旧来の手口が減少するなか、新たな振り込め詐欺として横行しており、警察庁は取り締まり強化に乗り出した。
還付金詐欺は、税金や年金の還付に必要な手続きを装って電話やはがきで被害者に連絡を取り、現金を支払わせる手口。被害者に携帯電話を持たせて現金自動受払機(ATM)に向かわせた後、「いったん金をこちらに振り込んでもらえれば、還付金を上乗せして入金する」と伝え、操作方法をその場で指示しながら送金させる。
警察庁によると、06年6月に埼玉県で初めて発覚し、同年末までに計482件(約5億1000万円)の被害が確認された。今年1月は79件だったが、2〜6月は118〜168件、7〜9月は212〜242件と次第に増加。10月に初めて300件を突破した。東京都内の被害は1〜10月で603件(約6億3000万円)だった。
被害者の約7割が女性で、50歳以上の女性が全体の6割超を占めている。税務署や国税局、国税庁の職員をかたるケースが972件で最多だという。
警察庁は「税務署や社会保険事務所などの職員がATMの操作方法を指示することはない。還付金を振り込む連絡があっても、関係機関の電話番号を自身で調べ、電話を直接かけて確認してほしい」と呼びかけている。10月末には還付金詐欺を振り込め詐欺の一種に定義した。
従来から振り込め詐欺と定義されていた3分類の今年1〜10月の被害は▽おれおれ詐欺5121件(前年同期比568件減)▽架空請求2363件(同709件減)▽融資保証金詐欺4978件(同1573件減)で、減少傾向にある。【鳴海崇】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071201-00000034-mai-soci