香川県坂出市林田町のパート従業員三浦啓子さん(58)と、孫で保育園児の山下茜(あかね)ちゃん(5)、彩菜(あやな)ちゃん(3)姉妹が行方不明になっている事件で、三浦さんの義理の弟で、同市内の無職川崎政則容疑者(61)が、県警坂出署の捜査本部の27日の調べに対し、「3人を殺害し、県内の山中に遺体を遺棄した」などと一連の犯行を認める供述をし、県警は死体遺棄容疑で逮捕した。
殺人容疑でも調べる。
義弟は三浦さんと金銭トラブルがあったといい、県警は犯行状況や動機を追及するとともに、遺棄現場を特定し、遺体の発見に全力を挙げる。
調べでは、義弟は11月16日未明、三浦さんと、茜ちゃん、彩菜ちゃんの遺体を県内の山に遺棄した疑いが持たれている。
姉妹は15日午後6時ごろ、隣に住む祖母の三浦さん方へ泊まりに行った。16日午前7時50分ごろ、母親の佐智子さん(34)が迎えに行くと、3人の姿はなく、寝室などに大量の血痕があった。寝室のカーペットもL字形に切り取られており、家族が坂出署に届けた。
三浦さんは姉妹を泊める際には玄関のカギを閉めていたが、窓など玄関以外から侵入した形跡はなかった。室内に土足で上がり込んだ跡や争った様子もないことなどから、県警は顔見知りによる犯行の可能性が高いと判断。三浦さんの交友関係を中心に調べた。その結果、今年4月に病死した三浦さんの妹の夫で、三浦さんと金銭トラブルがあった義弟が浮上。事件当日のアリバイがなく、県警は数日前から、任意同行を求め、事情を聴いていた。
三浦さんの知人らによると、三浦さんは妹に借金の保証人になってもらったり、妹名義で消費者金融から約100万円を借金したりするなどしていたといい、義弟らとトラブルになっていたという。
義弟は事件後、「借金の取り立てから逃れるために身を隠している」などと家族に伝え、高松市内の短期賃貸マンションを借りて住んでいた。
三浦さんの自転車や携帯電話のほか、普段、履いていた靴がなくなっており、県警は三浦さんが姉妹を連れ出したように偽装した可能性があるとみて調べる。