長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の会員で、すし店経営奥野元子さん(当時63歳)が今年9月、集団リンチを受けて死亡した事件で、教団創設者が死亡した2002年以後、信仰心を試すとして、会員に金魚を丸飲みさせるなどの行為が繰り返されていたことが27日、長野地検の調べでわかった。
同地検は、創設者の娘の窪田康子被告(49)(傷害致死罪で起訴)が、教団内での権力を強化するために、会員の締め付けを図ったとみている。
調べによると、窪田被告は以前から、「神様への信仰があれば暴力も耐えられる」と会員に語り、金魚を丸飲みさせたり、鼻から炭酸水を飲ませたりしたほか、夜中の高原に置き去りにすることもあった。
また、今年に入ってから、女性会員3人を「サファリパーク」と名付け、暴行を担当させていた。
日常生活での反省点を語り合う会合で発言が少ないとして、会員に家族同士で暴行させることもあった。
調べに対し、窪田被告は、元子さんへの暴行を主導したことや、以前から暴行があったことを否認しているという。
また、同地検は27日、元子さんの夫、奥野和宏被告(35)(傷害致死などの罪で起訴)らに、警察官に対して、すし店内で家族によって元子さんへのリンチが行われたと虚偽の説明をするよう依頼したとして、窪田被告を犯人隠避教唆の罪で長野地裁に追起訴した。
同事件では、窪田被告ら会員23人が傷害致死などの罪で起訴されている。