「脱・メタボリック症候群」の風潮に反し、高カロリーで、ボリュームを売り物にした「メガサイズ」の食品が若い男性に人気だ。コンビニエンスストアや外食業界は競って、商品を投入している。
メガハンバーグ弁当(ファミリーマート、1184キロカロリー)
メガマック(日本マクドナルド、754キロカロリー)
メガ牛丼(写真右、すき家、1286キロカロリー)
縦約11センチ、横約18センチのハンバーグが容器の半分を覆う、ファミリーマートの「メガハンバーグ弁当」。スポンジケーキなど3層の土台に、ピンポン球大のチョコムースとプリンが乗るセブン—イレブン・ジャパンの「がっつりプリン&チョコパフェ」。通常の1.5倍あるローソンのおでん「ビッグつくね串」……。
コンビニでは、メガ商品の存在感が増している。メガをうたう弁当は1食で、1日に摂取すべきカロリーの半分程度を賄うボリュームだ。
火付け役は、日本マクドナルドが1月から発売した「メガマック」。ハンバーグを4枚挟んだ2段重ねで、期間限定販売ながら約2000万食を売る大ヒットとなった。
同社の中心客は10代後半〜30代の男性。ここ数年は女性受けを狙った商品開発を優先してきたが、改めて若い男性に訴える商品を検討。米国や中国で販売されていた「メガマック」に目をつけた。
「メガ」ブームの背景について、電通消費者研究センターの渡辺磨由子チーフプランナーは、「健康志向から、たまには自分を解放したいという欲求がある」と指摘する。
ファミリーマートの調査では、通常サイズの弁当を買う客の約7割はフライドチキンや肉まんなどを併せて購入していた。「メガ需要は潜在的にあったようだ」(同社広報)。肉の量を並盛りの3倍にしたゼンショーの牛丼チェーン「すき家」の「メガ牛丼」は、注文が予想の約2倍で推移しているという。