０５年の衆院選で当選した岡下信子衆院議員（自民、大阪１７区）への投票を依頼する目的で有権者に酒や食事をふるまったとして、公職選挙法違反（供応）の罪に問われた堺市議・北野礼一被告（６１）と妻、後援会長の計３人に対する判決が２２日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は「酒食の提供は自らの支持者への慰労目的で計画された。供応目的を示す証拠は捜査段階での供述以外になく、虚偽の自白を押しつけられた疑いをぬぐえない」と述べ、３人に無罪を言い渡した。
無罪判決について話す北野礼一市議（左端）ら＝２２日午前、大阪地裁前で
検察側は、３人が衆院選公示後の０５年８月末、堺市内の焼き肉店で、支持者ら３２人に対し、１人約５０００円相当の接待をし、岡下議員への投票を依頼したとして起訴。罰金２０万〜３０万円を求刑していた。
判決は、宴会は衆院解散前の８月初めに企画されたと認定。「公選法違反の危険を冒して岡下議員への投票を依頼したと考えるには相当の疑問が残る」と述べた。警察官が作った３人の供述調書については「不自然で不合理」と判断した。
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