2007年11月22日(木) 17時23分
長井さんカメラ「兵士持ち去り説」否定 軍事政権擁護の元ミャンマー大使(J-CASTニュース)
元ミャンマー大使の山口洋一氏が2007年11月22日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、「世界のメディアでは、ミャンマーの実際の状況がゆがめられている」とした上で、「それぞれの国の実情を無視して民主主義を強制すると、かえって混乱する」との持論を展開した。ジャーナリストの長井健司さんが銃撃され死亡した件については「不幸な偶然が重なった結果」とした上で、「(銃撃の瞬間が収録されていると見られる)ソニー製ビデオカメラは、混乱の中で紛失した」とのミャンマー政府の見解を紹介した。
外国人記者からは、「私がビルマで見てきたことと違う」と、反発の声も挙がった。
95年から3年にわたってミャンマー大使を務めた山口氏は、世界中のメディアで伝えられている「軍事政権=悪玉、NLD(国民民主連盟、ミャンマーの最大野党)=民主化勢力・善玉」という図式は「実情を反映していない」と主張。
軍事政権は7つの段階を経て民主化へのプロセスを進めているとして、現状を「踊り場の民主主義」と表現。山口氏は先週ミャンマーを視察してきたばかりで、新首都「ネピドー」も視察したという。上下2院制の国会議事堂や、大統領官邸の建設が進んでいるのを目の当たりにして
「『7段階(のプロセス)を経ての民政移管は本気だな』と感じた」
と、軍事政権の政策をたたえた。
■「カメラはデモの混乱の中で失われた」
長井さんの死亡については、
「誠に不幸な偶然が重なった結果」
とのミャンマー政府の見解を紹介。長井さんが死亡するまで持っていたソニー製のビデオカメラについては
「長井氏が持っていた物品は、24点全て返却した。カメラはデモの混乱の中で失われた」
と、軍事政権は主張しているとのことだった。一部で、
「ソニー製のカメラは、ミャンマー軍兵士が持ち去った」
と、現場の映像付きで報じられたことについては、複数の写真を示しながら、