2007年11月22日(木) 23時59分
【鈴香被告公判ライブ(17)完】裁判長は疑問を口に… 9時間半に及ぶロングラン尋問終了(産経新聞)
弁護側は、供述の任意性について証人の検事にさらなる揺さぶりをかける。DVDなどを使った「取り調べの可視化」に話は及ぶ。
弁護側「供述の経緯を調書化したのは、自白調書の任意性が問題にされると分かっていたせいではないか」
証人「問題になれば意味ある調書だと」
弁護側「作成しようとしたのはいつか」
証人「それは以前から考えていた」
弁護側「われわれの抗議書が契機となったのか」
証人「なっていない。(鈴香被告が)『殺すという言葉が怖い』と言い出し、また、警察の調べでは殺意に関して消極的なのに対し、私には認めているので心の動きを調書化しようと思った」
弁護側「(取り調べの)ビデオや録音を考えなかったのか。より確実さが増すのではないか。調書より面倒でないだろう」
証人「やったことないことをやるのは面倒くさい」
さらに追及する弁護側は「ビデオは地検にないのか」と切り込む。
証人「私には、取り調べ用に使うビデオの知識はない」
弁護側「ICレコーダーはどうか。高くないだろう」
証人「あるかもしれないが、調書で十分と考えた」
再び検察側による尋問に。検察側は、鈴香被告がこう話したとする留置係による記録を紹介した。
「どうすればよいのだろう。(調書に)サインすればよいのか、検事も弁護士も言っていることは分かる。弁護士もカルテを持って色々やってくれているのに、サインすればやっていることがおシャカになってしまう。弁護士さんにも怒られちゃう。(彩香ちゃんが転落した)あの時は、怖かったから手を払っただけ。アクシデントだった」
続いて、裁判官による質問に入る。まずは左陪席の男性裁判官が、調書を取る際に、うまく言葉にできない鈴香被告に対し、証人がどのように調書を作成したかを聞いた。
裁判官「豪憲君殺害の動機に関して、『まちの人に憎しみや恨みがあった』と(調書に)記載した際、鈴香被告はうまく表現できなかったので、証人がまとめたと。そのときの鈴香被告の様子はどうだったのか?」
証人「落ち着いていた。抵抗する様子もなかった」
裁判官「証人はどのようにまとめたのか?」