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2007年11月22日(木) 20時38分

【鈴香被告公判ライブ(15)】弁護側「誘導だ」 「そうですね」と検事投げやりに産経新聞

 彩香ちゃん事件を“自白”した前後の鈴香被告の話が続く。証人の前秋田地検の検事によると、その様子は「つらそうだったが、何とか向き合おうとしていた」という。

 弁護側「泣きじゃくっていたか?」

 証人「震えはないが、さめざめ泣いていた」

 弁護側「声は?」

 証人「震えるような小さい声」

 弁護側「スピードは?」

 証人「ゆっくり。というか、間が空くという状況だった」

 「殺人」という言葉を嫌う鈴香被告は、“自白”の中でも、「殺す」「あやめる」「手にかける」という表現はしなかったという。殺意についても、証人が「殺そうというつもりだったのか」と聞いたところ、ようやく「そうです、といってうなずいた」という。

 このくだりを聞きながら、鈴香被告はけだるそうな表情で、イスに座り直した。

 弁護側「あなたの方から、『押して落とせば死ぬのではないか』『殺そうと思ったのではないか』と聞いたんでしょ」

 証人「彼女から殺すという言葉が出ていないので、いろんな角度から確認している」

 弁護側「殺意について被告が具体的に供述したわけじゃないんでしょ?」

 証人「調書にある通りだ」

 弁護側「これは誘導ではないか?」

 弁護側の追及に、証人は少し投げやりに「そうですね」と答えた。弁護側はその答えを引き出すと、納得したように話題を変えた。

 弁護側「7月7日夜、われわれ弁護士2人と面談したことを覚えているか?」

 証人「2人という記憶はない。(質問していない)○○先生と会ったという記憶がある」

 弁護側「(少しぶぜんとして)私と会った記憶はない?」

 証人「言っていないことを調書に取られようとしている、という抗議だったことは覚えている。ボールペンを突き刺した話は、弁護士から聞いて初めて知った話ではないので、印象は薄い」

 弁護側「ボールペンを刺したと聞いてどう思ったのか?」

 証人「腕を見たが、血は出ていないし、うっすらあざになっていた。そんなに強くやっていないと思った」

 しかし、弁護側はボールペンで刺したことについて、すぐに鈴香被告の供述を取らなかった検察側の姿勢を問題視した。

 弁護側「7月14日付の調書まで被告がペンで自分の腕を刺した話は出てこないが」

 証人「経緯については後日必ず取ろうと思っていた」

 弁護側「その日のうちに、とは?」

 証人「他にも聞かなければいけないことがあった」

 弁護側「弁護士から抗議を受けていたのに、防衛手段として調書を取ろうとは?」

 証人「その調書(14日付)で十分だと思った。時間があれば(もっと早く)取っていたと思うが」

 弁護側はさらに、医師に依頼した精神鑑定について聞いていく。証人によると、検察は最初、豪憲君殺害について責任能力の有無を確認。次に、彩香ちゃん事件のことを忘れていたという鈴香被告の記憶についても医師に確認したという。

 鈴香被告の状況を「健忘状態」と答えた医師だが、証人は「鈴香被告は『忘れた』と言っていたが、私は向き合えていないということだと思った」という。

 証人は鈴香被告の様子を「パソコンでいうと、(記憶が)画面に立ち上がっているが見ようとしない、もしくは、画面にわざと立ち上げようとしないという状態」に例えて説明した。

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