2007年11月22日(木) 02時31分
<船場吉兆>日報に「破棄」なし 期限切れ記録されず 福岡(毎日新聞)
牛肉の産地偽装や期限ラベルの張り替えが明るみに出た「船場吉兆」(大阪市中央区)で、福岡市の百貨店内にある「吉兆天神フードパーク」の「売上在庫日報」に、期限切れの商品を捨てたことを記す「破棄」の項目がなかったことが分かった。9月11日に福岡市の保健所の立ち入り調査を受けた直後、日報に「破棄」の項目が新たに追加されたという。日報では期限切れ食品の状況が記録されない仕組みになっていた。同社を巡っては、牛肉の産地偽装で大阪府警が不正競争防止法違反容疑で家宅捜索、こうした資料も押収したとみられる。
同フードパークは、百貨店地下にある船場吉兆直営の持ち帰り食品専門店。売れ残った洋菓子の期限ラベルを張り替えて販売し、農林水産省から改善を指示された。
関係者によると、店では現場責任者のパート従業員らが毎日、仕入れ、売り上げ、在庫などを記載した日報を大阪の本店にファクスした。しかし売れ残りのうち期限切れになった個数や、期限切れで破棄した個数を記載する項目がなかった。農水省の調査に対し、店のスタッフらは「保健所の調査後、突然、破棄の項目が加わった」と話している。店長の湯木尚治取締役は「日報は売り上げの管理のためのもので、期限切れの商品や在庫管理のための書類ではない」と説明している。
一方、食品衛生法や日本農林規格(JAS)法などでは、傷みやすい食品には安全に食べられる「消費期限」を記載し、日持ちする食品には味が劣化しない「賞味期限」を記載することになっている。しかし同フードパークのスタッフによると、店には「消費期限」のシールはなく、弁当やプリンなどの食品にも「賞味期限」のシールを張っていたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000010-mai-soci