2007年11月22日(木) 18時55分
【鈴香被告公判ライブ(11)】「ごめんなさい…」遺体の写真、指でなぞった(産経新聞)
畠山鈴香被告の「休憩を拒絶された」という証言を否定した証人の検事は、取り調べ再開後の様子について証言を続ける。
証人「(アリバイのある)交際相手が(米山豪憲君を)殺害したと思う理由について質問すると、被告は両ひじを机の上にのせ、体を少し横に傾け、警護の警察官が体の位置を元に戻させた。この質問をすると、体を傾けるというやり取りが続いた」
検察側「体が傾いたのは体調が悪いからだと思ったか?」
証人「追及に耐えられなくなり、取り調べから逃げたがっていると思った」
鈴香被告に被告人質問で、「(弁解を聞く前)席に座ったときにいきなり『バカヤロー』と怒鳴られた」と批判されたことについては、「そんなことはない」と語気を強めて否定した。
検察側「弁解を聞く前に怒鳴ることは? 検事として考えられるか?」
証人「考えられない。警察で否認しながら、検事に正直に話す人はいる。供述の不合理性を聞くと、認める人もいる。信頼関係が崩れるから、バカヤローは言わない。怒鳴ってもいない」
検察側「休みの求めを拒絶し、鈴香被告が倒れそうになり、警護の警察官に戻させたことはあるのか?」
証人「拒否していないし、倒れそうになったというのはどういう状況を指しているのか分からない」
鈴香被告はその後の取り調べで豪憲君の殺害を認め、「彩香がなぜいないのか、豪憲君が彩香じゃないことが切なくて殺した」などと動機を語っていたが、証人は「切ないという理由で人を殺せるのか。信用性がない」と追及を続けていく。昨年4月9日に彩香ちゃんが行方不明になった時間帯のアリバイについても問いただしたが、「思い出せない」と繰り返した。
鈴香被告に変化が訪れたのは6月29日の取り調べに話が及んだときだった。
証人「鈴香被告の母親が『豪憲君の両親に申し訳ない。鈴香の言っていることは通用しないのは分かるが、私は娘を支えていく』と言っていたことを伝えていた。鈴香被告は泣きながら、『ありがとうございました』と言っていた」<page/>
証人の言葉に鈴香被告は表情を変えなかったが、まばたきが多くなった。