鹿児島県議選の選挙違反冤罪事件の捜査過程で、親族の名前などを書いて踏ませた「踏み字」で自白を強要し精神的苦痛を与えたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元鹿児島県警警部補浜田隆広被告(45)=福岡市西区=の初公判が22日、福岡地裁(林秀文裁判長)で開かれた。
浜田被告は「踏み字を1回させたことは事実で、不愉快な思いをさせたと反省している」としながらも「陵辱、加虐の行為には当たらず違法性はない。刑法上は公務員職権乱用罪とすべきだが、公訴時効が成立している」と述べ、起訴事実を否認した。
起訴状によると、県警本部捜査2課の捜査員だった浜田被告は2003年4月、県議選で初当選した中山信一さん(62)の支援者でホテル経営の川畑幸夫さん(62)を任意で取り調べ、川畑さんの孫や実父の名前とともに「早く正直なじいちゃんになってください」などと書いた紙3枚を、足首をつかんで1回踏ませた。
川畑さんは起訴されず、今年1月に浜田被告を鹿児島地検に告訴。事件の移送を受けた福岡高検が捜査し、その指揮で福岡地検が9月に在宅起訴した。
(共同)