2007年11月21日(水) 16時20分
インターネットで横行する「内職詐欺」(ツカサネット新聞)
「誰でも楽して大金を稼げます!」
こんな広告をホームページやブログで見た事がある人は非常に多いのではないだろうか。
「楽して大金を稼ぐ」のは古来からある人間の願望と言ってもいいものかもしれないが、そう簡単に「稼ぐ」事ができないからこそ「願望」なのかもしれない。その非常に困難な「願望」をかなえると豪語するインターネット上の広告が、最近非常に目立つのだ。察しのいい方なら予想できるだろうが、こういった広告の内容はほとんどが「詐欺」か「マルチ商法(ネズミ講、連鎖販売取引)」である。
「詐欺」の場合は、稼ぐための情報を売るといった場合が多い。いわゆる「情報商材」というものだ。サイト上には能書きだけ書いて(サイトによっては、閲覧者の興味を煽るために、札束を鷲づかみにしている画像や、大金が入った通帳の画像を用意しているサイトもある。)、お金を払った人間にだけ内容を教えるといったものである。「期間限定で値下げしています!お早めに!」などと催促するケースも非常に多く、閲覧者の判断を誤らせようと躍起になっているケースも目立つ。料金は数万円する事も少なくない。
しかし、折角大金を出して買ってみても、期待はずれの情報がほとんどである。「ポイントサイト(お小遣い稼ぎサイト)に登録しましょう」といったものならまだいいほうで、「私と同じような情報商材を売れば稼げます」といった本末転倒なものも少なくない。また、「わざと交通事故にあって、慰謝料をゲットしましょう」などといった言語道断なものもある始末である。
次に「マルチ商法」である。マルチ商法とは、組織の会員が儲かるといって、友人、知人を勧誘し、さらに次々と新しい会員を勧誘して連鎖的に組織を拡大して商品やサービスなどの販売を促進する商法である。まず、上位会員が企業から商品を仕入れ、それを下位の会員に売って利益を得るというものである。当然ながら、自分より下位の会員がいないと利益が出ないので、躍起になってネット上に広告を出して自分より下位の会員を募集いるわけだ。
マルチ商法の勧誘は、昔は個人サイトの掲示板にスパム書き込みを行ったり、無差別にスパムメールを送りつけるのが主な方法だったのだが、最近ではまた新しい方法を開発したようである。検索サイトで有名なGoogleが提供している、個人サイト向けの広告システム「Google AdSense」。このGoogle AdSenseに、大量に広告を出向しているのである。Google AdSenseは、サイトにマッチした広告が配信されるシステムであるが、マルチ商法の広告はサイトを問わず表示されるケースが非常に目立つ。これは、マルチ商法の会員内で、内職とは無関係なサイトに広告を表示するためのノウハウが出回っているためである。
「主婦でも稼げちゃいましたぁ♪」「こたつが職場で億万長者になりました!」といったフレーズを見た事のある人は多いだろう。マルチ商法の会員は、こういった謳い文句をGoogle AdSenseの広告に載せ、閲覧者を自分のサイトに誘導させようとしているのである。うっかりマルチ商法に騙されてしまい、大変な被害にあった方も少なくないようなので、ちょっとでも「怪しい」と思ったら踏みとどまる勇気が必要だ。
こういった、「情報商材」や「マルチ商法」の被害者が後を絶たない。インターネット利用者が気をつけるのはもちろんだが、早いうちになにか法的な規制をすべきなのではないだろうか。
(記者:村正)
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