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2007年11月17日(土) 10時00分

知らないとだまされる“食品表示基礎知識”日刊ゲンダイ

「白い恋人」「赤福」「宮崎地鶏」「船場吉兆」……。それほど厳密に守られていないだろうと消費者もうすうす気づいてはいたが、こうも次々と露見すると、はたしてまともな食品表示はあるのかいなと思ってしまう。じゃあ、消費者は食品表示についてちゃんと知っているかと言われれば、心もとない……。

≪消費期限と賞味期限≫
●業者は期限をどうやって決めているか…消費・賞味期限をどのくらいにするかの法的規定はないが、製造・加工業者、輸入業者は厚労省と農水省のガイドラインに沿って、一応の試験は行う。
「食品の粘りや濁りなど、製造日からの品質劣化を観察する『理化学試験』、大腸菌など細菌の増加を調べる『微生物試験』、においや味の変化を見る『官能試験』を行います。これに、消費者の口に入るまでの日数など、業者の経験と“勘”を加えて期限を決定します。多少味が落ちても平気という業者は、長めに設定したり、ラベルを張り替えたりすることも可能なわけです」(食品アナリスト)
●消費期限と賞味期限はどう違うの?…肉や魚、弁当など日もちしない食品に使われるのが「消費期限」。おおむね5日以内で、この期間なら腐らずに食べられますという目安だ。消費期限切れはやはり避けたほうが無難。
 これに対して、「賞味期限」は牛乳、ハム、冷凍食品など加工食品に表示義務があり、この期限内なら味落ちや変質はありませんという保証期間だ。
「賞味期限は少し過ぎたぐらいなら問題ありません。おおむね1.5倍ぐらいまでなら大丈夫です」(料理研究家)
 最近は「製造年月日」を入れる食品も増えた。これが一番信頼性が高い。
 注意したいのは輸入食品の期限。輸入業者が決めるが、生産国で製造日が正直に報告されているとは限らない。なるべく早く食べたい。

≪加工日や原産地≫
●加工日が毎日変わる食品…「スーパーなどで売れ残った刺し身用の魚を塩焼きにすると、その日が新たな加工日になります。さらに、それをおかずにして弁当にすれば、その日が加工日。たとえ1週間前に作って冷蔵庫で保管しておいた卵焼きを入れても、弁当にふたをした日が加工日です」(スーパー店員)
●原材料地と原産国はどう違うのか…同じアジの開きでも「原材料 アジ(中国 国産)」というのと「原産国 中国」というのがある。
「最初のほうは中国でとれたアジを日本で開きにしたもの。後のほうは中国で開きにしたものです」(スーパーのバイヤー)
●地鶏には厳密な決まりがある…宮崎地鶏の偽装表示で、地鶏が地元の鶏という意味ではないことを初めて知った消費者も多いだろう。
「地鶏はJAS法で定められたコーチン、比内鶏、薩摩鶏など38種の在来種の血統を50%以上引き継ぎ、生後80日以上飼育し、28日以降は1平方メートルあたり10羽以下で地面を動き回れるようにして育てたものしか名乗れません」(農水省)
 ブロイラーは卵からかえって約40日で出荷されるが、名古屋コーチンなどは約170日も飼育する。地鶏は飼育コストがかかり、ヒヨコの確保も難しい。消費量は鶏肉全体の1%程度で、多くは鶏肉専門店や高級料理店に流れてしまう。焼き鳥屋などで「××鶏」と地名の付いた鶏を見かけるが、これは「銘柄鶏」でブロイラーよりはウマイが、地鶏ではない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000008-gen-ent